会長・社外取締役鼎談 コーポレート・ガバナンス
佐々木 もっと頑張って欲しいところはありますか。
八木 EDGE戦略のG、グローバル化していく中で、日本の良さ、価値を大事にしていただきたいと思います。アニメなど、海外に買ってもらえるものを売っていこう、そこから成長や利益を生んでいこう、というのはそれはそれで良いのですが、日本からの発信で何か新しい価値を生んで欲しいですし、それぐらいのことができる会社なのになと。そういう部分で打って出て、Gの部分をもっと強化して欲しいと思います。
佐々木 八木さんがよくおっしゃっていた言葉で、ちょっと強い表現ですが「何が何でも媚びを売って世界に出て行きましょうというのではなく、TBSがやる意味を大事にして外に出て行くのだ」というのがあります。
八木 はい。韓国でK-POPやドラマが流行ると二番煎じで追いかける、というのではなく、世界がTBSや日本に期待しているものをど真ん中に出していって欲しいですね。世界の多くの人が「日本らしさ」として認めるところもあると思うので、損得ではなく善悪で物事を見るような、「我々が見た世界」という発信があっても良いかなと思います。
佐々木 Legendary Entertainmentに関しての大きな投資をしました。未知数の部分ももちろんありますが、率直にどう捉えていますか。
八木 未来に向かうには大きな投資が必要です。しかも、アメリカの中で非常にレピュテーションの高いところに入り込んでいくわけですから、失敗のリスクだってありますよ。けれどもチャレンジしなければ成功も無いのだから、良いじゃないかと思います。業界のリーダー達と対等に向き合って、自分の思いを通していくことは素晴らしいと思います。
牧野 2024年にグローバルビジネス元年と打ち出し、実際にスタートしたのはすごく良いことです。大きな成功までには時間がかかると思いますが、マイルストーンをどう組み立てて、そこからどう学んで共有するかが大切です。Legendaryとのプロジェクト、フォーマット販売、それぞれを手掛ける人が横断的に話して、日本の常識がこんな場面で通じなかった等、情報をシェアすることが大事です。
佐々木 TBSは放送局としては突出して海外に出て行っていると思いますが、注意事項はありますか。
郷に入っては郷に従いながら、時に先方の会社を買収して手を組んでいく、等いろいろなやり方があると思いますが、方針を決め切れていない部分もあります。
八木 郷に入って郷に従っちゃいけないと思うんですよ。譲ってはいけないことを明確にしていかないと。
郷に入っては郷に従え、傾聴しろ、関係性を大事に、とアメリカのビジネスマンが主張しています。でも、日本人はむしろ聞き過ぎてしまう。アメリカのマネジメント論に引っ張られずに、自分達の強み、弱みを見ながらどうすれば勝てるのかを考える人が必要です。
海外に出て行くと遠心力でバラバラになるリスクがあるから、求心力を持たせる必要があります。だから、TBSというのはこういう会社でこういう志や思いを実現しようとしているのだと、しっかり打ち出せる人が真ん中にいることが、スキルの有無よりも大事ですね。
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