株式会社 TBSホールディングス代表取締役社長 CEO 阿部 龍二郎
昨年の統合報告書で、私は「JAPAN as No.1をもう一度目指したい」という決意を申し上げました。それは、かつて世界第二位の経済大国であった日本を、再び経済規模で頂点へ押し上げたいという意味ではありません。私が思い描く「JAPAN as No.1」とは、一人ひとりが幸福を実感し、互いを尊重し、未来への希望を持って生きることのできる国です。世界から、「ウェルビーイングのリーディングカントリー」と認められる日本。その実現に、TBSグループが少しでも貢献できるのであれば、それほど誇りある使命はありません。
一方、現実に目を向ければ、凄惨な戦争はなお続き、社会の剣呑な分断は深まり、不確実性は日々増しています。日本もまた、人口減少、少子高齢化、物価上昇など、数多くの課題に直面しています。しかし私は、日本という国の未来を悲観してはいません。この国には、世界を魅了する文化があります。世界に誇る技術があります。そして何より、人を思いやり、支え合い、ともに生きるという精神があります。
どれほど時代が変わろうとも、この価値だけは決して失われない。私は、そのことを信じています。
そして今、私たちは産業革命やインターネット革命にも匹敵する、あるいはそれを超える歴史的な転換点に立っています。AI革命です。AIは、私たちの働き方を変えます。産業の姿を変えます。社会の仕組みそのものまで変えていくでしょう。放送の世界でもAI音声がニュースを読むことも始まりました。やがて、人と見分けがつかない AIアーティストが世界中の人々を魅了する時代も訪れるかもしれません。