TBSでは、グループ全体のコンテンツ戦略と連携し、高品質・高効率なコンテンツ制作を実現するためのAI技術を含めた研究開発を積極的に推進しています。これらの独自技術はTBS グループ全体のDXを加速させ、コンテンツの価値最大化や新たなビジネスモデルの創出にも貢献しています。
中継やリモートプロダクション(遠隔操作)環境で用いるコミュニケーションアプリを独自開発しました。インターネット回線を利用し、スマートフォン・タブレットで動作します。誰でも使いやすく、TBSでは国内外問わず多くの番組でスタッフ間のスムーズな連絡や、出演者や現場スタッフへの送り返し音声としても活用され、中継の際の重要なツールとなっています。特に海外との連絡においては、国際電話の費用削減にもつながっています。
Kustamie(カスタミー)は、生放送やイベントにおける出演者と参加者の双方向コミュニケーションを活性化し、「参加感」を向上させるプラットフォームです。クイズやリアクション機能、マルチアングル配信などを備え、低遅延映像配信技術によりリアルとオンラインが融合した一体感を提供可能です。現在は社内外のイベントで実証実験を重ねており、将来の本格的なビジネス化に向けた開発・準備を進めています。
LMSは、TBSテレビとWOWOWが共同開発した、テレビ局の要求水準を満たす次世代の超低遅延映像・音声・制御信号伝送ソフトウェアです。中継にかかる費用を抑えると同時に、カメラのリモートプロダクションを容易に実現する技術として開発しました。スマートフォンで撮影した映像も高画質・低遅延で伝送可能であり、報道・情報番組からスポーツ番組まで日常的に使用されるなど、新たな演出を可能にしています。上記の点が評価され、2025年の放送文化基金賞 放送技術部門も受賞しました。また、ソニー製ポータブルデータトランスミッター向けアプリの提供開始や、三菱電機との協業によるロボット遠隔操作の実現など、他業種への展開が期待されています。
中継先 スタジオの様子やOA映像を送信 回線センター
国内放送局では先進的な取り組みとして、インターネット上で独自に経路制御が可能なネットワーク(AS: Autonomous System) を活用し、制作拠点を高速に接続する大容量ネットワーク基盤を自社で設計・運用しています。この強固なインフラを映像制作ワークフローへ展開するプロジェクト「AGXG」を始動させました。従来は撮影した映像素材の入ったプロ用メディアやハードディスクを直接スタジオから本社・外部ポスプロへ搬送していました。本プロジェクトにより各制作拠点をAGXGネットワークで接続することで、大容量映像素材の高速流通が可能に。PoCを実施した映画「ラストマン -FIRST LOVE-」の制作では、数百時間規模の作業時間削減と数百万円規模の関連コスト削減効果を確認しました。また「VIVANT」第2シーズンの制作では、海外ロケで撮影された素材を現地データセンター経由で国内制作環境へ転送し、確認・編集工程の早期着手を可能にするなど、制作ワークフローの効率化とコスト最適化を推進しています。
TBSではNTTグループをはじめとする多くの企業と連携し、次世代の通信基盤である「IOWN (Innovative Optical and Wireless Network)」を活用したフルリモートプロダクションの実現へ向け、数多くの取り組みをしています。これらの挑戦は映像制作の在り方を根本から変える可能性を秘めており、放送業界のDXを推し進めています。
昨年の世界陸上では、ロードレース(マラソン・競歩)をIOWNによるリモプロでユニ制作しました。今年のアジア大会 愛知・名古屋ではさらに規模を拡大して実施する予定です。
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